カンパニョーロFDの調整 12月27日, 2011


カンパニョーロ(Campagnolo)のフロント・ディレイラー(FD)の調整を、2011テクニカルマニュアル(英文版、 参照 )記載の方法でやってみました。以下は、その方法が何となく直感的なやり方と違う気がしたため、自分用に後日のメモとしてまとめたものです。FDのフレームへの取り付けやワイヤ張りについては触れていません。それらの作業が適切に行なわれたものとして、その後の調整についてのみです。既にマニュアルをご覧の方には特に参考になる事項は無いと思いますが、ご存知でない方は手間がかかって結構楽しめますよ。

■まず、インナー側のクリアランス調整です。
・ワイヤはかけません。
・インナー・ローにします。
・上側の調整ボルト(Internal travel limit screw)で、チェーンとガイトプレートのケージ内側左側面との隙間を隙間ゲージなどで0.5mmに調整します。

■ワイヤを留めます。
・ワイヤのアジャスターは、後の調整で締める方向(ガイドプレートを外に押し出す方向です)にまわすため、テンションが一番緩い状態にしておきます。
・たるまないようにワイヤを引っぱり、ボルトの左下にある突起の左側を通して留めます。

※ボルトを締める力を"5 Nm(44 in.lbs)"でとマニュアルには記載されていますが、普通に手で強めに締めました。ワイヤを引く力は、私にとっては"強め"程度がgoodでした。ペンチなどであまり強く引いてしまうと、以下の手順が実行できません。マニュアルには、"Set the cable by pulling the cable moderately."と表現されています。この"moderately"が職人風です。また、このワイヤを留める作業を繰り返す可能性がありますので、"ワイヤを大切に"。傷がついてしまう可能性があります。

■アウター側のクリアランス調整です。
・インナー・ローのままです。
・シフトレバーを3クリックします(なんともユニーク)。
・アジャスターでワイヤのテンションを調整し、チェーンがガイドプレートのケージ内側左側面をスレスレにかすめるように調整します(最大0.5mm)。
・下側の調節ボルト(External travel limit screw)をまわして調整します。

※この部分は、この通りにはとてもいきそうもありません。マニュアルは、

4.3.2 UPPER POSITION
1) Leaving the chain on the biggest sprocket of the cassette, shift operating the shift lever FOR 3 CLICKS.
2) Adjust the tension of the cable with the adjuster so that the inside face of the derailleur cage just skims the chain(0.5mm max).
3) Adjust the external travel limit screw to bring it flush.
*図版参照の注は省略しました。

と表現しているのですけどね。この"2)"がくせものです。

私の手順では、
・インナー・ローから、シフトレバーをゆっくり3クリックします。
・下側の調節ボルト(External travel limit screw)をまわして、アウターにチェーンがかかる位置までガイドプレートが移動する位置を探します。

  • - OKなら、ボルトはその位置で、シフトレバーを戻し、3クリック。
  • - NGなら、やり直しです。たぶん最初は、チェーンにかかる距離まで移動しないのではないでしょうか。その場合、ワイヤのテンションが弱すぎました。シフトレバーを完全に戻し、上記「ワイヤを留めます」に戻り(アジャスターを戻すのを忘れずに)、引く力を前より強くして留めた上、再度3クリックし、下調節ボルト調整の手順です。また、もし下調節ボルトをまわしてもガイドプレートが動かないようなら、ワイヤのテンションが強すぎました。弱めて再度「ワイヤを留めます」からやり直しです。

・チェーンがアウターにかかりましたね。チェーンとガイドプレートのケージ内側左側面をスレスレにかすめる(最大0.5mm)ように、アジャスターでワイヤのテンションを調節しつつ、下調節ボルトを微調整します。テンションについては、ガチガチ当たるようなら強めますし、0.5mm以上の隙間があるようなら弱めます。

■完成
この手順で調整してみた所、インナー・トップ付近ではごく軽くあたるのですが、タスキですし、マニュアルにも次のようにあるので、良いことにしました。

ATTENTION!
Check that the operation of all the speeds is perfect. When riding the bike do not use the sprocket/chainring combinations at the opposite extremes as they could cause excessive noise, wear and the breakage of the components themselves.